職場で上司の言うことに逆らったのか、同僚の一人が職場で若干孤立しつつあった。
時折聞こえてくる話を断片的につなぎ合わせたので推測でしかないが、おそらく新たな仕事を断って(喧嘩腰で断って)、その分他の従業員に皺寄せがきたということだろう。
いつもなら何気ない談笑していたのに、最低限の仕事の話しかせず、その人が近くに寄ると、距離を置くようにその場から離れたりしていた。いじめというには大袈裟かもしれないが、その様子に胸が締め付けられた。あくまで想像でしかないので、もしかしたらその人が本当に失礼な言動をして周りが距離を置いているのかもしれないが、それでも見ていて苦しいものがあった。
ただその人は今の時代なくてはならない資格や免許を持っているので、ここでダメでも他に働き手があるだろう。
私はというと特にスキルや資格を持っていないので、出来ることといえば、場の雰囲気を壊さないこと、極力逆らわず仕事を引き受けること、笑顔で対応することしかないのかなと思いながら仕事に臨んでいる。
本当は忙しい同僚に労いの言葉を掛けたり、雑談をして場を和ませることが出来ればいいのだが、私にはそのような能力がない。
雑談というか言葉のキャッチボールが出来ないので、相手から会話を振られたとき、(自分にとっての)笑顔でそうですね!と言って、その後の進展はない。相手も私の不自然な笑顔と受け答えに戸惑って顔をひきつらせながら「ハハハ…」と言いながらその場を去っていくのが日常茶飯事だ。もちろん私は相手が戸惑っているのも、顔がひきつっているのも気づいている。でも治しようがない。
そのうち会話することが億劫になり、せめて迷惑をかけないようにじっとしておこうという考えに至った。そして仕事を振られたら嫌な顔を見せずに引き受けると。
周りからみたら私はロボットに見えているのだろうか。
そういえば最近読書してないなあと思って書店で4冊程買ってきた。その中の一冊に三島由紀夫の「金閣寺」があるのだが、数ページ読んでこの主人公自分にそっくりじゃね?と思った。
この本のように金閣寺を燃やしたら色々な意味で終わりなので(そういう話だよね?)、なんとかストレス発散しながら穏やかに生きていこうと思う。