読書はハマれば物語にのめりこんで現実を忘れることが出来ますよね。
今回は高校時代に夢中になって読んだ本を紹介したいと思います。
突然ですが、私は高校時代友達がいませんでした。
思春期でしょうか。自分と他人の差を感じ勝手に劣等感に抱き、からに籠っていました。
中学時代に仲がよかった子も自然と離れていきました。
そんな私にとって夏川草介氏の著書「神様のカルテ」は運命的な出会いでした。
ある日テレビで「神様のカルテ」のCMを観ました。私は思わず一目惚れしてました。物語ではなく、表紙絵にです。カスヤナガトさんというイラストレーターの方が書いているそうです。
早速本屋で探して読んでみました。
信州のとある病院の医者の話であり、地方ならではの医療の問題を描いたものです。しかし、重々しい空気ではないので、さわやかに読めます。
また、信州の美しい景色を丁寧に書いており、旅に出たい気持ちになります。
主人公は古風で風変わりですが、自分の中に芯があり魅力的な人物です。また、主人公の奥さんも病院の先生も患者さんも魅力的です。厳しい環境で生きていますが、懸命に楽しく過ごしている。そんな日常にとても心惹かれました。
24時間365日空いている救急外来がある病院の内科医。しかも医者の数が圧倒的に足りていない。現実的に考えれば、とても大変だし心身ともに疲弊しそうです。
しかし、主人公は、怯むことなく仕事をします。かといって決してスーパーポジティブではないし、性格がとてもいいわけでもなく、超人でもありません。古風な喋り方だし、毒舌だし、嫌なことがあると頭が痛くなるし。ときには意見が合わず、同僚同僚とぶつかり合うことがあります。
完璧が求められそうな医療の現場で決して完璧とはいえない人間臭い主人公が奮闘する姿が面白いです。
また、地域医療の問題を書いているので、とても考えさせられます。厳しい世界で生きている医者の葛藤を感じることができ、より尊重するようになりました。
本書は1、2、3、0、新章の順に計5冊発行されています。
とても読みやすいので、オススメです。