社会で生きていくこと。
私には2つ離れた姉がいる。
大学生のころ、姉は飲み会で終電を逃してしまったとき、父に車で迎えに来てもらうように頼んだ。当時の父は毎日ビールを飲んでいたので私が迎えに行く事になった。父を助手席に乗せて駅まで迎えに行った。
そして姉を車に乗せたあと父と姉でちょっとした言い争いが始まった。
家族に迷惑がかかるだろう。友達との付き合いだからしょうがないじゃん。
みたいな会話だったかな。
私は黙って運転していた。
姉は私と違って意見をズバッというタイプだった。時々発言にヒヤヒヤすることがあったが…。遡って高校生ごろはよく親(特に父)に反発していた。でもそうした成長を経て今では自分の芯を持って生きている気がする。そして家族を行政を社会を頼って生きている気がする。用事があれば娘を両親に預けるし、役所のサービスをきちんと利用する。育児や仕事の悩みを母に電話で相談するし、極たまに父とちょっとした言い争いもする。そして私を買い物の足として利用する。
少々荒っぽいところもあるが家族、社会に支えられて生きるってこういうことなんだなあと思う。お互いが思いやるだけではなく、ときには衝突したり離ればなれになりながら社会というものが形成されていくのだなとしみじみ思う。
私はというと両親に反発することなんて基本的にない。悩みごとも心配かけたくないのでしない。喧嘩することもない。他者に迷惑をかけないことで社会の一員になっていると思い込んでいる節がある。
もちろん犯罪はダメだけど、もっと他者に、社会に甘えてもいいんじゃないかなと最近思っている。
もし大学生のあの時に、もう眠いから車は出さない。姉が一人で何とかしてよ。
と意見を言えたなら今の私は少し違ったのだろうか。