対話
今思えばキチンとした「対話」をしたことがないのかもしれない。
キチンとしたというと曖昧な表現だが、要は面と向かって腹を割って話したことがないということだ。
以前も書いた気がするけど、自分の感情を誰かに伝えることに戸惑いを感じてしまう。
自己肯定感が低いことに関係があるのだろうか。
環境によるものかもしれない。
家族会議をしたことがない。基本的に相談は母親にして、母親から父親に伝えるというのが多い。
父は昔はTHE昭和の人間という感じだった。無口で頑固で少し亭主関白だった。大きな声で怒鳴ることもあったし、正直苦手だった。
歳をとった現在父はだいぶ丸くなった気がする。仕事を退職したからだろうか、それとも孫が生まれたからだろうか。
私とお酒を飲むことを楽しみにしている。正直照れくさいけど、あと何回一緒に飲めるか分からないので、出来るだけお供するようにしている。
今思えば、父はその当時の理想の父親を演じていたのかもしれない。堅苦しいニュースばかり観ていた父が今はバラエティでゲラゲラ笑っている。
私に話を合わせようとするためか、一緒に野球を観たりしている。
苦手だし今でも距離を置きたいときもあるけど、40年以上勤め私たちを育ててくれた父を労ってあげたい。