昔のことは些細なことでも覚えている。些細なことでも積み重なっていく。
以前父について書いた。
ある日のこと。私は自分の病気に悩んでいてよくNHK のバリバラとかハートネットTVをよく観ていた。その日は聴覚に障害がある人の話だった。夕食が終わった父が居間に来てテレビを見るなにつまらなそうにうたた寝をしはじめた。そしてそのまま寝てしまった。
その後9時から日本アカデミー賞が始まると寝ていたはずの父がパッと起き上がりテレビを見始めた。
若干被害妄想が入っているかもしれないが、病気とか障害とか都合の悪いもの、見たくないものは見ない人なんだろうなあとそのとき思った。
まぁ私もそのとき私も私生活で困っているから一緒に観ようよ。と声かけるべきだったのかもしれないけど。
もうひとつエピソードがある。
高校生のとき県外の大学を希望していたが、月1で名古屋の病院に通っていたのでそのたびに実家に帰らないといけなかった。
そのとき父はその大学がある地域にも大学病院があり当時通っていた口腔外科があるから大丈夫。わざわざ戻ってくる必要はないと言った。
父なりのフォローのつもりだったんだろうけど、私は少し冷めた気持ちで聞いていた。
ああこの人は私のことを何も知らないんだろうなあ。口腔外科ならどこでもいいってわけじゃないのに。専門の病気を扱っている医者がいて、生まれたときからずっと診てくれてある程度信頼が築けて今があるのに。
まぁそのときも心のなかで思っているだけではなく、言葉で伝えれば良かった話なんだけれども。
どちらも本当に些細なことなんだけどね。
対話しましょう。向かい合いましょう。っていうおはなし。