平静の祈り
神よ、私にお与えください。
変えることのできないものを受け入れる落ち着きを
変えることのできるものは変える勇気を
そしてそれらを見分ける知恵を
上記のものはアメリカの神学者ニーバーによって書かれ、かつてアルコール依存症などの自助グループで唱えられることが多く、そこから広く知られるようになったといわれている。(書籍によって若干言葉が異なっているのでご了承ください。)
私はこの言葉にとても感銘を受けた。
病気や障害に悩んでいた多感な10代20代。心理学の本や自己啓発系の本を読み漁っていたので、正直2行目3行目は類似した言葉をうんざりするほど見てきた。まあそれほどその言葉が真理であるということなんだろうけど。
私が衝撃を受けたのは4行目だ。
自分に何ができて、何ができないのか見極めることが大事だという。
新卒で入った会社は技術系の会社だったが、打ち合わせやミーティングが多く人とのコミュニケーションが大事な仕事だった。
自分の意見を言えない私はミーティングでは発言できず、打ち合わせでは折衷案を出すことができず、周りに迷惑をかけていた。それでもしばらくはやめなかった。
続けていれば自信がつき、できるようになるだろうと思っていたからだ。
でも結局変わらなかった。仕事を一生懸命覚えたし、プレゼンテーションの仕方の書籍を読んだりしたのに。
そんなことよりもっと大事な知恵を持っていなかったのだ。
自分ができるかできないか見分ける知恵だ。
結局のところ自分自身と向き合うことから逃避せず、己を知ることが大切なんだろう。